クリニックブログ

音響外傷

2017年6月12日

先日のことですが、「音響外傷」の患者さんが受診されました。
前日にハンマーで金属を叩いてから、左難聴・左耳鳴が出現。翌日も症状が続くとのことでクリニックを受診されました。

 

正常な聴力データです↓
下へ行くほど聴力が悪くなります。20dBより上にあれば正常です。

正常

 

今回の聴力データです

hghwb

2kHzの部分()の聴力が低下しており、典型的な音響外傷でした。

 

ここで「音響外傷」について述べたいと思います。

原因:
爆発音など強大音をいきなり聞いた場合、それが一瞬であっても難聴の原因になります。 またロックコンサートなどで強大音を1〜2時間連続して聞いた場合にも難聴が発生します。 

症状:
強大音を聞いた直後から耳が詰まった感じ(耳閉感)や音が響く感じが出現し、それがおさまってから耳鳴や難聴に気づくことが多いようです。 

診断:
聴力検査をおこない、難聴の周波数・程度を調べます。

治療:
 血流改善剤、ビタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、循環改善薬などが使用されます。また、安静を保つことが大切です。

予防:
音響外傷は、偶発的な強大音によって突発的に起きることが多く、突然大きな音にさらされるため、避けることは困難です。しかしながら、強大音の予測が可能なコンサート等の場合は、スピーカーから距離を置いたり、耳栓を使用することで一定の予防効果は期待できます。

 

早期治療が重要です。大きな音を聞いてしまった翌日も難聴・耳鳴が残っている場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。