病気のはなし

はなの病気

薬剤性鼻炎

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薬剤性鼻炎は、市販の点鼻薬の使い過ぎにより起こる鼻炎で、鼻づまりが主症状です。 点鼻薬を長期間使いすぎると、かえって使用前より粘膜が腫れるという副作用があります。 市販の点鼻薬には、鼻粘膜の腫れを改善させる成分(血管収縮剤)が含まれているものが多く、使い始めにはよく効きますが、長期間使用すると徐々に効き目が悪くなり、かえって鼻粘膜が腫れたままで鼻づまりが続く状態となります。 血管収縮剤入りの点鼻薬は、1日2回で2週間程度の使用であれば問題ありませんが、1ヶ月以上かつ1日に3〜4回以上の使用となると、薬剤性鼻炎の可能性が出てきます。 薬剤性鼻炎の治療は、まず血管収縮剤入りの点鼻薬をなるべく早く中止することです。最初は鼻づまりに苦しむことになりますがここが辛抱のしどころです。確かに最初の2〜3日は辛いですが、1週間でかなり楽になり、2週間経つとほとんど元の状態に戻るといわれています。

さらに、抗アレルギー剤と(医師処方の)ステロイド点鼻薬で治療します。ステロイド点鼻薬は連用しても効き目が悪くなることはなく、ステロイド内服薬でみられるような副作用も非常に少ないという特徴があります。 通常はこの治療で鼻づまりが改善されてきますが、相変わらず鼻がつまる場合は、何らかの鼻炎や鼻中隔わん曲、鼻茸(ポリープ)などの元々の鼻の病気の治療が必要となります。また、場合によっては手術が必要なこともあります。
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