耳管機能不全(耳管狭窄症と耳管開放症)
耳と鼻をつないでいる管を耳管といいます。通常は閉じており、嚥下時やつばを飲む時だけ一瞬開きます。
耳管の機能が悪くなることを「耳管機能不全」といい、その中に「耳管狭窄症」「耳管開放症」などの病態があります。
耳管狭窄症
耳管狭窄症は、耳管が狭くなったり、常に塞がった状態のことで、原因は風邪やアレルギーに伴う炎症(鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎)が多いですが、アデノイド増殖症や腫瘍などが原因になることもあります。近年、逆流性食道炎が耳管機能に影響を及ぼしていることが分かってきました。
耳管開放症
耳管開放症とは耳管が開きっぱなしの状態をいいます。原因は急激な体重減少、脱水、ストレス、顎関節症、妊娠・ピルの使用などが考えられています。こちらも逆流性食道炎、慢性上咽頭炎が原因であることが近年分かってきました。
症状
耳管狭窄症と耳管開放症は、症状が非常に似ています。両方とも
- 自分の声がひびいて聴こえる(自声強聴)
- 自分の呼吸の音が耳にひびく
-
耳がつまった感じがする(耳閉感)
などです。
診断
治療
- 耳管狭窄症の場合、風邪やアレルギーに伴う炎症(鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎)などの原因に対応した治療をおこないます。
- 耳管開放症の場合、軽度であれば漢方薬(加味帰脾湯・補中益気湯)が有効です。内服薬で改善されない時は、「鼓膜チューブ挿入術・耳管ピン挿入術」や「鼓膜の表面に小さなテープを貼ったりする治療法」もあります。
- 慢性上咽頭炎が原因となる場合はBスポット療法をすることもあります。