病気のはなし

Illness

耳管機能不全(耳管狭窄症と耳管開放症)

耳と鼻をつないでいる管を耳管といいます。通常は閉じており、嚥下時やつばを飲む時だけ一瞬開きます。

耳管の機能が悪くなることを「耳管機能不全」といい、その中に「耳管狭窄症」「耳管開放症」などの病態があります。

【図解】耳の構造(ロゴあり)

 

耳管狭窄症

耳管狭窄症は、耳管が狭くなったり、常に塞がった状態のことで、原因は風邪やアレルギーに伴う炎症(鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎)が多いですが、アデノイド増殖症や腫瘍などが原因になることもあります。近年、逆流性食道炎が耳管機能に影響を及ぼしていることが分かってきました。

耳管開放症

耳管開放症とは耳管が開きっぱなしの状態をいいます。原因は急激な体重減少、脱水、ストレス、顎関節症、妊娠・ピルの使用などが考えられています。こちらも逆流性食道炎慢性上咽頭炎が原因であることが近年分かってきました。

症状

耳管狭窄症と耳管開放症は、症状が非常に似ています。両方とも

  • 自分の声がひびいて聴こえる(自声強聴)
  • 自分の呼吸の音が耳にひびく 
  • 耳がつまった感じがする(耳閉感)

    などです。

診断

  • 体位で症状が変化する(仰向けで寝る・前屈など頭を下にすることで症状が軽快すれば耳管開放症)かどうかの問診
  • 鼓膜が呼吸によってふるえるかどうかの観察(鼓膜動揺があれば耳管開放症) 
  • 内視鏡での耳管開口部の観察
  • 耳管機能検査検査(耳と鼻に装置を装着し嚥下やあくびで耳管が適切に開いているかを測定する機器)→R7.9月より当院導入
    などで診断されます。

治療

  • 耳管狭窄症の場合、風邪やアレルギーに伴う炎症(鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎)などの原因に対応した治療をおこないます。
  • 耳管開放症の場合、軽度であれば漢方薬(加味帰脾湯・補中益気湯)が有効です。内服薬で改善されない時は、「鼓膜チューブ挿入術・耳管ピン挿入術」や「鼓膜の表面に小さなテープを貼ったりする治療法」もあります。
  • 慢性上咽頭炎が原因となる場合はBスポット療法をすることもあります。

 

ダイビングをされる方へ

ダイビングを行う際、耳抜きができるかどうかが重要になります。耳管機能検査を用いることで、耳抜きが問題なくできているかどうかを計測できます。当院では耳管機能検査を使った検査を行い、(PADI ダイバーメディカル | 参加者チェックシートなど)各種ダイビング団体が指定する医師の評価シートの作成が可能です(諸条件がございます。45歳以上の方は健診等のコレステロール値のデータが必要です。まずは 0587-38-4133までお電話下さい)。

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