クリニックブログ

2018年3月

下口唇のう胞

2018年3月9日

先日のことです。

「口唇が白くなっている」とのことで受診された子供さんがおられました。

口唇の内側を診てみると↓
口唇の粘膜が「ぷくっ」と膨れていました。

これは「下口唇のう胞」と言われる病気です。

 

これは中に唾液がたまり、風船のように膨らむことによって生じたもので、「下口唇のう胞」といいます。皮下組織に汗腺があって汗が分泌されるように、唇の粘膜下には多数の小唾液腺(=唾液を作る組織)があり、唾液を分泌しています。したがって、唇を噛んでしまって小唾液腺が傷つくと、唾液が正常に分泌されず粘膜下で溜まってしまうことがあり、下口唇のう胞が生じるのです。

 

原因:口唇をかんだ場合に出来やすいという説もありますが、はっきりした原因は分かっていません。

症状唇が少し腫れているような感じがするだけで多くの場合、痛みはありません。

治療:稀ではありますが自然に治ることもある為、しばらくは様子をみて治りが悪いようであれば外科的切除がベターです。その場合は総合病院の耳鼻咽喉科 or 口腔外科へ紹介となります。手術としては外来で局所麻酔後にメスを用いて嚢胞だけでなく、原因となった小唾液腺も切除します。切除後は糸で縫合します。

唇に上の写真の様なものが出来ておられる方は耳鼻咽喉科を受診することお勧めいたします。   

3/3(土)講演会参加

2018年3月3日

3/3(土)診察終了後に名古屋市内でおこなわれた講演会へ参加してきました。

演題は、『鼻・副鼻腔炎症性疾患に対する薬物療法』
演者は、川崎医科大学 耳鼻咽喉科学 講師 兵 行義 先生

 

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内容は以下のようでした。

スギ花粉症において、鼻以外の随伴症状として、ノド痒み・咳・痰 等がある。
特に鼻閉がひどいと口呼吸となり、咳が出やすいと言われている。
花粉時期の夜間鼻閉・咳の存在→睡眠障害をきたす→生活の質や労働生産性の低下をきたすので、花粉時期にいかに鼻閉をコントロールするかが重要と言われている。

スギ花粉が飛び始めています。鼻・眼の症状がある方は、早急な受診をお勧めいたします。

ヒトメタニューモウイルスの検査キットを導入しました

2018年3月1日

最近注目されているヒトメタニューモウイルスですが、迅速検査キットを導入しました。インフルエンザキット同様 鼻腔内に綿棒を挿入し3~8分程で診断可能です。
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「ヒトメタニューモウィルスって何?」と思われるかもしれませんが、ここでヒトメタニューモウィルスについて述べたいと思います。

 

 

ヒトメタニューモウィルス感染症

誘因原因
気管支炎・肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種です。1~3歳の幼児の間で流行しやすく、3~6月にピークをむかえます。

 

症状
(7日間続きます)
②熱(高めの熱が3~5日間続きます)
③鼻汁、のどがヒューヒュー・ゼイゼイ(=喘鳴)

 

検査
簡易検査キットを使い3~8分程で分かります。

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治療
特効薬は無く対症療法が主体になります。発熱に対しては解熱剤を使用し、喘鳴を伴う呼吸器症状に対しては痰の切れを良くする薬や気管支拡張薬を用います。

 

ポイント
保育園・幼稚園や小学校などでの集団感染に注意する必要があります。流行状況を把握し、手洗い・うがいに努めましょう。

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