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重症花粉症にゾレア R6年版

カテゴリ:  2024年1月8日

ゾレア®皮下注-抗IgE療法-  R6年版です →R5年までとは治療の流れが異なります

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2週間 or 4週間毎に皮下に注射するお薬です。

元々は喘息、慢性蕁麻疹の薬として以前より使われてきた薬ですが、2019年12月より、「季節性アレルギー性鼻炎」の適応が追加されました。花粉症に対する抗体医薬は世界初であることから、専門家の間でも注目を集めています。

薬の位置づけとしては、例年どんな治療法をおこなっても、効かない、本当に苦しくて困っている

といった方が対象です。

 

 

このような方が対象となります

  • 鼻アレルギー診療ガイドラインにてスギ花粉症の重症または最重症
  • 過去に医療機関で鼻噴霧用ステロイド薬及び内服薬による治療を受けたが、効果が乏しい
  • スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上
  • 血液中の総IgE値が30~1,500 IU/mlの範囲
  • 12歳以上で、体重が20~150kgの範囲

 

 

 

ゾレアは既存の治療を行っても症状が酷い、重症または最重症のスギ花粉症の方に限定した治療です。そのため 治療開始までにクリアすべき条件がいくつかあります。

 

 

【治療までの流れ】 R5年までとは異なります

ゾレア初めての方

 まずは受診していただき、前スギ花粉シーズンの鼻症状が重症or最重症であることを確認させていただきます。

 1週間以上 抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイドによる治療をおこないます。

 1週間以上経って受診した際に、鼻アレルギー診療ガイドラインにて鼻症状が重症 or 最重症であることを確認いたします。

 採血をおこない、スギ特異的抗体価、総IgE濃度をチェックいたします(以前に採血をおこなった方でも再度チェックが必要です)。

 4~5日後に採血データが判明しますので、クリニックよりお電話しゾレアの適応があるがどうかをお伝えいたします。ゾレアの投与量、投与間隔、概算費用をお知らせし、注射接種日を設定いたします(投与量・投与間隔は、総IgE濃度と体重によって決まるためゾレア適応外となる可能性もございます)。

 ※ ここまできて初めて ゾレア投与可能な状態となります。

 予約日に受診していただき症状の最終確認とゾレアの投与を行います。投与の日は薬剤の準備、副反応の観察などを含め約40分程 所要時間がかかります。

 

R5 ゾレア投与歴のある方

 上記の必要なく、いきなりゾレア投与が可能です(あくまでも予約制ですが)。ゾレアを取り寄せる必要があるため、まずは一度お電話 or 受診して下さい。体重確認が必要です。体重によっては、ゾレア投与出来ない場合もございます。

 

R4ゾレア投与歴あるが、R5のみ投与していない方

採血をおこない、総IgE濃度をチェックいたします(以前に採血をおこなった方でも再度チェックが必要です)。体重・総IgE濃度によって、ゾレア投与可能かどうかが決まります。結果はお電話させていただきます。ゾレア可能であれば、ゾレア投与日を予約し、予約日に受診となります。

 

 

 

スギ花粉以外に慢性蕁麻疹の方も適応となります(4週間毎に皮下注)

 

 

 

従来の治療が効かない重症のスギ花粉症の方にとって福音となる治療です。治療効果の高いお薬ですが、医療費が高額なため、投与にあたってはメリット・デメリットをよくご理解していただきたいと思います。