クリニックブログ

航空性中耳炎

2017年10月3日

先日 飛行機乗った際の「耳痛・難聴・耳閉感」を主訴に当院受診された患者さんがおられました。

2日前の行きの飛行機で右耳がおかしくなり、軽快したものの 翌日の帰り機内で右耳が再度悪化し、左耳も同様の症状が出たとのことでした。
耳を診てみると「航空性中耳炎」の状態でした↓
航空性中耳炎

ここで「航空性中耳炎」について述べたいと思います。

 

航空性中耳炎

Ear Cross-section

耳と鼻をつないでいる管を「耳管」といいます。通常は閉じていますが、嚥下やつばを飲む時だけ開いて圧の調整をおこなっています。飛行機の上昇・下降に伴い圧が変化しますが、風邪やアレルギーで鼻の粘膜が腫れると、圧調整がダメで耳の内部(中耳)に炎症や出血を起こすことがあります。これが「航空性中耳炎」です。

  • 症状:
    (飛行機の上昇・下降時の)耳の痛み、耳の詰まった感じ、難聴です。
  • 治療と予防:
    繰り返し起こすことが多いので、事前の予防が重要です。風邪をひいたり、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などがある人は予め治療をして「搭乗前に鼻を整えておく」ことが最も重要です。

    機内で症状が出だしたら、飴を舐めたり、唾を繰り返し飲んでみます。不変の場合は、鼻をつまんで唾を飲み込む 「トインビー法」をおこないます。着陸後も症状が続く場合は耳鼻科を受診しましょう。薬で治療しますが、重症の場合は鼓膜切開をおこなう事もあります。
    無題

 

着陸して翌日も耳症状が続く場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。