先日のことですが、「前日にアジを食べてからノドが痛む」とのことで3歳の子供さんが受診されました。
舌を下方へ圧排する器具を使って、口の中を診てみました。「オエッ」となり、しっかり見えないので鼻からファイバーでノドを観察してみました

魚骨がありました↑
どこにあるかというと
「扁桃下極」といい、扁桃の一番下の部分です。舌が、下方からせり上がってくるため見にくいところです。
肉眼で見えれば口から器具を入れて取れることが出来る為、もう一度口をあけてもらったのですが見えずに断念→総合病院へ行っていただくことになりました。
総合病院で、摘出アーム付きファイバーを鼻から挿入して取っていただきました。3.0cmの魚骨だったようです。
取れた後は痛みも無くなり、ご飯もしっかり摂れているとのことでした。
先日のことです。 2歳の子どもさんが、「鼻にペンが入った」「鼻さわると痛い」と主訴で受診されました。
さっそく鼻鏡を使用して鼻内を観察してみます
そこで見えてきたものは
何か紫色のものが
さらに近づいてみると
確かに何か入っています
きっちり入っており力が必要でしたが、何とか取り出せました
これは一体? 広げてみると
丸めた紫色の画用紙でした
それでは、「ペンは一体
」と思い
鼻に入れたペンを見せてもらいました。

もしかして 鼻に入ってしまった画用紙を このペンで取ろうとしたのでしょうか
先日 飛行機乗った際の「耳痛・難聴・耳閉感」を主訴に当院受診された患者さんがおられました。
2日前の行きの飛行機で右耳がおかしくなり、軽快したものの 翌日の帰り機内で右耳が再度悪化し、左耳も同様の症状が出たとのことでした。
耳を診てみると「航空性中耳炎」の状態でした↓

ここで「航空性中耳炎」について述べたいと思います。
航空性中耳炎

耳と鼻をつないでいる管を「耳管」といいます。通常は閉じていますが、嚥下やつばを飲む時だけ開いて圧の調整をおこなっています。飛行機の上昇・下降に伴い圧が変化しますが、風邪やアレルギーで鼻の粘膜が腫れると、圧調整がダメで耳の内部(中耳)に炎症や出血を起こすことがあります。これが「航空性中耳炎」です。
- 症状:
(飛行機の上昇・下降時の)耳の痛み、耳の詰まった感じ、難聴です。
-
治療と予防:
繰り返し起こすことが多いので、事前の予防が重要です。風邪をひいたり、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などがある人は予め治療をして「搭乗前に鼻を整えておく」ことが最も重要です。
機内で症状が出だしたら、飴を舐めたり、唾を繰り返し飲んでみます。不変の場合は、鼻をつまんで唾を飲み込む 「トインビー法」をおこないます。着陸後も症状が続く場合は耳鼻科を受診しましょう。薬で治療しますが、重症の場合は鼓膜切開をおこなう事もあります。

着陸して翌日も耳症状が続く場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
子供さんが、「鼻汁」を主訴に当院を受診された場合、鼻鏡という器具を使って鼻内を観察します。

鼻の中を診ていると、いろんなことが分かる場合があります。
まずは正常な鼻の粘膜です↓

正常な鼻粘膜はやや赤みを帯びて見えます
次に「アレルギー性鼻炎」がある場合の鼻の粘膜です↓
粘膜が蒼白で浮腫状になっています
くしゃみ連発・眼痒み 等があれば「アレルギー性鼻炎」の可能性大です。
また、成人女性の方で↓の様な方が時々おられます。

鼻粘膜に「白い粉様のもの」が付着しています。
皆さん これが何か分かりますでしょうか?
答えは、『お化粧のファンデーション』
です。
気付かないうちに鼻に吸い込んでいるのですね。
「耳の痛み」で受診される子供は多いのですが、今回は耳鼻科医が
・鼓膜のどこを診ているのか
・それで何が分かるのか
・中耳炎で長期通院する理由は何か
について簡単にお話をしたいと思います。
①まずは正常な鼓膜です。鼓膜の奥(=中耳)には貯留液は認められません。
②次に急性中耳炎の鼓膜です(中耳は膿で充満です)↓

③最後に滲出性中耳炎の鼓膜です(中耳に、airと滲出性貯留液を認めます)↓

②で、膿性の中耳貯留液が長引くと↓

上記の様に鼓膜裏面に、肉芽 (「にくげ」→炎症により生じた結合組織のこと)が生じることがあります。
この様な場合は、肉芽がきれいになるのに時間がかかるのです。
9/20PM診察終了後に名古屋市内で行われた「東海喘息研究会」に参加してきました。
演者は、帝京大学内科学講座 呼吸器・アレルギー学教授 山口 正雄先生
演題は、「気管支喘息および背景にあるⅠ型アレルギーへの最新アプローチ」

アレルギーにおける 「脱感作」と「減感作(アレルゲン免疫療法)」の違い・作用機序・実例について聴講してきました。
最新の研究内容のものが大半でした。研究会で得た知識を、明日からの診察に役立てたいと思います。