5/11名古屋市内で行われた「咽喉頭食道疾患研究会」に参加してきました。
講師は 佐賀大学耳鼻咽喉科准教授 島津倫太郎先生
演題は 『胃酸逆流と耳鼻咽喉科』についてでした。

ところで皆さん「逆流性食道炎」をご存じでしょうか?
「逆流性食道炎」とは、胃から食道への逆流を防ぐ機能が働かなくなったり(下部食道括約筋の機能低下)、胃酸の分泌が増えすぎたりして、胃の内容物が食道に逆流して長くとどまることで起こります。

等の症状が出るのですが、検査としては問診・アンケートを使った問診表・内視鏡検査をおこないます。
しかしながら、内視鏡で異常が見つかる率は50%と低い のが現状です。最終的には『24時間pHモニタリング検査』が最も有用と言われていますが、大学病院などの特殊な施設でしか行われていません。
『24時間pHモニタリング』とはこれです↓

センサーを鼻から挿入し胃まで入れる これを24時間装着する という辛そうな
検査です。
実は「のどの違和感」で耳鼻咽喉科を受診される方は非常に多く、逆流性食道炎、咽喉頭異常感症 など種々の病気が考えられます。
「のどの違和感」のある方は一度 耳鼻咽喉科受診をお勧めいたします(24時間pHモニタリングはやりませんのでご安心を)。
今日は朝から業者さんに来ていただき、すべてのエアコンの分解清掃をしました。
業務用の天井カセット式なので、内部すべて外して清掃可能です。
まずは濡れないように養生します。
外すとこんな感じです。
内部はしっかり汚れていました。
↑ すごい
顔まで入れて洗浄です。
しっかり綺麗になりました
܂
5/10口腔・口唇ヘルペスウイルスの子供さんが受診されました。
〇はアフタ様口内炎、〇はカサブタになった口内炎



↑写真では分かりにくいですが、口腔内・口唇に多数の口内炎を認めました。痛みで食事がかなり減っているようです。
実は4日前にも39.0℃の高熱で受診されており、その時はインフルエンザを心配されておりインフルエンザキットでは陰性でした。(昨日から解熱していますが)高熱が4日間続き、口内炎が出現したようです。乳幼児の患者さんなら、経口摂取不良で入院レベルの重症です。
何が凄いかというと、「解熱したので登校し体力テストやったとのこと
」 反復横跳び
→懐かしい・・
若いって凄いです
耳垢栓塞(じこうせんそく)とは、いわゆる「みみあか」のことです。
ここで、耳垢について少し述べたいと思います。
耳垢には、乾燥した耳垢「乾性耳垢」と、どろっとした軟らかい耳垢「湿性耳垢」の2種類があります。

「乾性耳垢」

「湿性耳垢」
これらは生まれた時から遺伝的に決まっているものであり、途中で変化するものではありません。日本人の約7割が乾性耳垢で、残りの約3割が湿性耳垢と言われています。 西欧人では日本人と違い約9割が湿性耳垢です。そのため湿性耳垢の多い西欧には、日本でいうところの「耳かき」が普及してしません。湿性耳垢は、通称「あめ耳」「ねこみみ」とも呼ばれていますが、湿性であるから病気と言うことではありません。 耳垢のたまる速度は、その人の代謝によりますので体質による個人差がかなりあります。
学校健診で「耳垢栓塞」を指摘された方は、学校健診用紙を持参の上、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
4月下旬から何故か「くしゃみ・鼻汁・鼻閉」がひどいと思っておられる方は多いと思います。花粉症かな?と思っていた症状の原因はもしかしたら黄砂によるものかもしれません。
さいきん自動車のボンネットについているアレ
です↓

黄砂とは、中国大陸から飛んでくるといわれる一年で数百万トンにも及ぶといわれる非常に目の細かい砂のことです。黄砂は飛来する過程で、上空で大気汚染物質と反応し、有害物質を含む物質になることが問題であるといわれています。
元々あるアレルギー状態(花粉症、喘息)が黄砂によって悪化すると考えられています
天気予報で気象予報士さんが「今日は風が強く黄砂の飛来が多いです
」という日は特に注意が必要です。洗濯物の部屋干しも効果的です。

スタッフさんにお願いしてエアコンフィルターの清掃をしていただきました。


綺麗になると気持ちがいいものです。
健診で「扁桃肥大」を指摘される子供さんがおられます。
この場合の扁桃とは、口蓋扁桃のことです。口蓋扁桃の大きさは個人差も大きく、また年齢によって大きさも変化します。2歳から次第に肥大して、5~7歳で最大となり、その後ゆっくりと縮小していきます。口蓋扁桃の大きい子供さんはこんな感じです↓
大きいだけでは問題はありません。大きくて、かつ以下の症状がある場合に手術適応となります。
・物理的な閉塞をきたす場合:常時大きないびき・無呼吸がある、睡眠中陥没呼吸、常に口呼吸、食事に時間かかる
・炎症が強い場合(習慣性扁桃炎):扁桃炎を年3回以上繰り返す
子供さんが睡眠障害・いびきを起こす場合は、扁桃肥大だけではなく他の種々の病気が考えられます。
夜間無呼吸・いびきのある子どもさんは、当院HPの子供の病気 睡眠呼吸障害・いびき をご覧の上で受診をお勧めいたします。
学校健診で「アレルギー性鼻炎」と指摘される理由について述べたいと思います。
・事前に「アレルギー性鼻炎」と申し出ているから?
・健診当日にくしゃみ、鼻汁が多いから?
いえいえそうではありません。理由は鼻粘膜の見た目です

正常な粘膜はやや赤みを帯びています
それに対して
アレルギー性鼻炎の粘膜は、蒼白で浮腫状です
また、アレルギー性鼻炎の場合は鼻の中の空洞も狭くなっており、鼻閉をきたしやすいのです。 親御さんから話を聞くと、「そういえば常に鼻がぐずっている」という症状がある場合が多いです。アレルギー性鼻炎を指摘されたら、一度 耳鼻咽喉科でのチェックをお勧めします。
キッズルームに新しい絵本を追加しました
ロングセラー絵本から、新作本まで取り揃えました
待ち時間に読んで下さいね
他院でRSウイルスと診断されている患者さんで、中耳炎を合併している幼児の方がおられました。

RSウイルスと診断されている乳幼児で、中耳炎を合併している率は2歳未満で70%、2歳以上で30%と言われており2歳未満で高率です。
『 RSウイルスについて 』
- 【原因】RSウイルスの感染でおこります。RSウイルスの感染力は非常に強く、2歳頃までにほぼ100%の子供がかかります。一度かかっても免疫が十分に出来ない為に何度もかかる可能性があります。
- 【症状】熱・咳・鼻水で始まり、熱は1~2日で治まりますが、咳・鼻水が1~2週間続くのが特徴です。1歳未満(特に生後6か月以内)の乳児の場合は、ウイルス初感染の可能性あり、高熱が続く・痰絡み咳・鼻水がダラダラ続き重症化しやすい といった特徴があります。
- 【合併症】
中耳炎:2歳未満で70%、2歳以上で30%と言われています。中耳炎が治ってからの再発率も高く、1か月以内での再発率は30%と言われています。
急性細気管支炎:細気管支炎による喘鳴が特徴です。喘鳴を伴う呼吸困難の症状(ゼイゼイ、ヒューヒュー)を示します。
- 【診断】診断キットを用います。

- 【治療】特効薬は無く対症療法がメインとなります。
2歳未満のRSウイルス患者さんは耳鼻咽喉科で中耳炎チェックをお勧めいたします。